不妊と鍼灸及びみなさんの現状
このページは補足が増えるたびに、上へ上へと文章が増えます。よって、新しい記事の内容が上にきますので、何かの機会に目に留まればと思って書いております。
当センターは「不妊専門」を謳っておりませんので、お手伝いをしたのが約100人程度です。もちろん100%成功しているわけでもなく、諦めた方もいます。
当センターで「合わない」「成功しない」と思った場合は、他院様へ移っていっても良いスタンスです。移った先で「いけるかも」と思ったら、1クールはお試しいただければと。
また、クリニックでも医師の方針も先生方によって考え方が変わることも多いですし、ホルモン剤(漢方も含む)の使い方に癖があるので、(また一から検査などになるので負担にはなりますが)医療機関を変えることも視野に入れていただくと良いでしょう。
ただ言えることは、私も他院の鍼灸師も、医師も、最善の方法を提案して施術・治療をしていますので、無駄な遠回りだったということではないと思います。段階を踏まえて重ねていったということをご理解いただければと思います。
一緒に命との縁を迎えるために最善を尽くすということで、準備をしていただければと思います。
最近の気になる傾向
長い間、不妊治療をされていた方々と話に出ることがあります。
現在は不妊治療が保険適応になり、不妊治療をされる方がかつての様な「必死さ」「一生懸命さ」がなくなり、言葉は悪いですが不妊治療に向き合う姿勢に「カジュアル」感が入って変わってきた気がします。
例1 「もしできなかった」ときに「いつ迄チャレンジするのか」、「然るべきところから子供を迎えることを考えるべきか」を決めてないケース
例2 今までタイミングや人工授精で何度チャレンジしても妊娠に至らなかったのに、体外受精は1回で確実に妊娠すると思っていたケース。
などが見受けられます。
以前は全て順調に推移して50万〜100万程かかり、普通でも2〜300万、多い方だと数100万近い治療費用がかかっていた不妊治療なので、不妊治療中のみなさんに「一生懸命さ」「必死さ」を感じられましたし、こちらが言わずとも色々とライフプランを考えていました。
できましたら、ご自身なりに治療法や行動を探って意識していただくことをもお勧めします。
男性パートナーへのお願い
当方に来られた皆さん、そして同業の方々や医療関係者から耳にすることは、男性の当事者意識が欠如していることが多いと言うこと。
状況の改善に至るには、下方にも書いてありますが卵子は3ヶ月を基本とし、精子は6ヶ月を基本とします。
生物界を見てわかるかもしれませんが、オスという生き物は基本的に弱くできています。また最近の研究では、喫煙や寝不足に関してDNAが傷つくことが確認されたり、アルコール摂取自体が体に有害であると言うことがわかったりしてきます。
色々我慢すると言うことがストレスになるので細かく言うのも避けたいところですが、これから子供を宿そうというパートナーの方は、毎回生理が来るたびに死刑宣告のように感じたり、その度に「女性として人間として生物としてポンコツなのではないか?」そう感じていることが多いです。
男性陣で言えば、リストラ対象になった時の感情、大きなミスで会社に損害を与えた、あるいは重大な事故を起こしてしまった。そんな心情に近い状態だと思います。
さて、どうでしょうか?
また、ここで協力的にできない場合は、育児も同じ状況だと思います。
ちょっと何か家事や育児をやっただけで達成感を持って終わってしまって、常日頃はパートナーに任せっきりになって、そのパートナーの心身の状態を見落とすことをしかねません。自分の子供です。是非とも生まれる前に積極的に色々と参画してください。
来所された方々から考える補足事項
年齢関係なく、不妊治療あるいは結婚される前から仕事の中でストレスを大きく受けている方、仕事が起因で体調不良になっている方や精神科通院中の方は、今一度考えていただきたい。
パートナーの仕事上に問題がない場合(一定の収入が確保されている)は、ご自身の体を守ることを優先することをお勧めします。もちろん不妊治療のことだけではなく、ご自身の健康とご家族内の安定のためにも。
心身ともに張り詰めた状態で仕事と不妊治療をされることは、余裕がなく張り詰めた状態です。
スピリチュアルの話ではないですが、そんな張り詰めた状態に置かれている子たちが空から見ていたら、
「お母さんの体に無理がかかるのではないだろうか?」
「自分が邪魔にならないだろうか?」
「自分が存在していいのだろうか?」
「可愛がってもらえるのだろうか」あるいは「存在を喜んでもらえるだろうか」
と、もしそう思われていたらどうでしょうか。
「緩み」「余裕」があることで、次へのステップが踏めるのではないかと、不妊治療中の方々を見て思ったことです。
では、以下をご一読ください。
不妊・妊活・妊鍼
当ページ目次
準備として
まず最初に・基本的なこと・ライフプラン~覚悟と区切り~・不妊治療中で
不妊と鍼灸の実際について
鍼灸を受ける目的・鍼灸施術の受け方の基本・1~2回の単発的利用法・東洋医学的体質・現代特有の体質問題
お試しセルフケア
経血に塊がある場合・むくみのある場合・腰痛がある場合
逆子になったら
逆子をどうとらえるか・鍼灸の実際
まずはご一読ください!
不妊治療を始めるとき、悩んだ時は一度目を通して下さい。
準備として
さて、まず最初に皆さんにお聞きします。
最近…というか、不妊治療を考えたころからですが…
空を見上げていますか?
風を感じていますか?
海や湖、山をみていますか?
そして…
深呼吸していますか?
気負わず、背負わず、力を抜いて、心身を耕し・潤し気持ちを緩めたら
力をいれすぎず、リラックスして行きましょう!
鍼灸を受ける目的
当センターでは、
心身とホルモンを安定化させることを目標にしています。
「心身の安定」というのは、自律神経を安定化(正常化)させることです。そしてその自律神経のキーポイントとなるのが頭と頚、腸なのです。
緊張やストレスがかかると、多くの場合は交感神経が活発に作動します。リラックスすると副交感神経が優位に作動することで内臓がよく働きます。副交感神経が活躍することで多くのメリットがありますので、リラックス状態を呼び起こすことが最大目的となります。副交感神経を効率よく引き出すのが頭・顔・手・足へのアプローチと筋肉を緩めることです。緩めることに関しては、首へのアプローチが大切になります。
不妊治療を受けることによって、特にその期間が長くなればなるほど、心身ともに傷つき疲弊します。特に女性の傷つき方は想像以上のことでしょう。
その傷によって自己嫌悪に陥ったり、不用意な身内の言葉によって傷つき、時として感じる夫婦間の寒熱の差など、これらのストレスによって「臨戦状態」のまま生活をするということは、不妊治療に対してマイナスであるだけでなく、他の不具合引き起こす誘因となります。
鍼灸やマッサージ、かっさやカッピング(吸玉)などを受けることによって交感神経が抑制され副交感神経が優位になることでリラックスします。また、凝り固まった筋肉を緩めることで、強制的に副交感神経を優位にすることが研究によって判明しています。
よって、顔や頭に対してアプローチすることでよりリラックス状態を引き出し、心地よさをもってお帰りいただけるように努めております。
お腹の血流を促すためにと温泉や岩盤浴、スポーツやエクササイズなどを利用することも大変良いことです。一生懸命になり過ぎない程度にやっていただくのも大変良いと思います
気負わず、背負わず、力を抜いて、心身を耕して気持ちを緩める
そこを一番の目的にしましょう。
さて、一つだけ脱線します。
我々、代替医療とも言われる分野のセラピー・施術(厳密にいうと医師以外は「治療」という言葉を使うと法的に問題があります)全般からすれば
「不妊専門○○」という特化はおかしい。ということです。
ここのところ、専門性を謳う傾向があるので、どうしても不妊専門○○としている整体院・鍼灸院・そのほかセラピー系が多いと思います(もちろん整体院も多いです)。普通に鍼灸をすれば、不妊も心身の不調もよくなりますので、通いやすくて話しやすい施術者のところへ通っていただくことをお勧めします。
また、○○セラピーや○○リンパセラピーと謳っての腹部や腋窩などの刺激は、体にとって良くない影響が出やすいことも多いです。腸活セラピーなどの腹部への刺激は、神経や血管が周囲組織への癒着を促してしまうという話も出てきています。自己判断の部分になりますが、ご注意ください。
鍼灸施術の受け方の基本
「今周期移植で」とか「来週採卵(あるいは移植)で」という直前連絡型の方もいますが、不妊治療で病院に何カ月も何年も通い、整体や整骨院に何年も通っているのに、鍼灸だけは直前に一回で効果を得ようとする方が少なくないです。
ご理解いただきたいのは鍼灸は手品ではない!ということ。「一回鍼灸やれば妊娠できるだろう」的な考えの方が多いのです!
精子は約6か月
卵子は約3か月
かかるといわれています。よって、よりよい状態の精子や卵子を採取するには、最低でもその期間プラスαの期間が必要であるとご理解ください。
今までの傾向としては、妊娠したタイミングで一番多いのが10~17回。一つ目安としてはだいたい15回前後で一つのスパンが見られました。
もちろん、足掛け3年かかった方もいます。そのケース以外にも、今まで10年以上何をやってもダメだった方がPMS改善を目的とした施術で、3~4回ほど施術を受けて妊娠できたということもありました(その時は男性側あるいは女性側の転職や職場の配置転換など、他の要因も奇跡的に揃っての稀なケースでした)。
コンディショニングセンター伊豆での鍼灸やリンパマッサージ、カッピング、かっさ、矯正の施術は、「心身を整える」ことが目標です。よって「心身が整えば、必ず巡り会える」という信念の元、他院では時間がかかって経営的に採り入れない複合施術で対応しています。
まずは
週1回の3か月が基本1療程です。
加えて採卵(排卵)までの2週をプラスして14回が1療程と考えていただくも良いかと思います。
1療程終えたのち、1~2周期後に結果が出るというケースも多いです。
定期的な施術で1療程は完了していただければと思います。一つ注意していただきたいのは、最初の1療程の施術間隔にばらつきがある方が長くかかる傾向があります。お仕事の関係上難しいところもあるかと思いますが、しっかりと取り組んでいただければと思います。
よって、
1療程=週1回12週場合により+採卵前2回となります。
1療程後もそのまま継続する方もいます。お勧めとしては1周期或いは2~3周期開けてから再開していただく方法です。
流産経験のある方、不育症の方の場合、そのまま20週まで継続をお勧めします。もちろん妊娠後の悪阻(つわり)や逆子、産後の状況にも対応していますので、遠慮なく相談してください。
よく鍼灸だけでなく整体や足裏、マッサージ(リラクゼーション)でも出物腫物のように「3カ月まではできません」といいますが、実際にはそこまで影響されることはありません。不安でしたら、副作用がない頭鍼療法のみで対応します。
1~2回の単発的利用法
移植直前なのに子宮内膜が何をやっても厚くならない場合、1~2回程、お試し的に施術を受けてみてください。40代の方々で頑張っても7mm程度にしか厚みにならなかったのが、数回の治療で9㎜~10㎜にまでなっています。1~2回の施術でも8ミリ超えることは珍しくありません。これは、子宮を含めて骨盤内の血流を上げることで起こる効果です。
また、卵が「あともう一歩」という程度大きくならない(各種ホルモン値の異常がないケースのみ)場合も、2回程の施術で効果を見られるかと思います。卵巣へ流入する動脈の血管抵抗を下げることで起こる効果です。
東洋医学的体質実際
主な東洋医学的(中国医学的)体質分類です。ココに当てはまらないことも多いので、こんな感じかなという程度で考えてください。
念を押しますが、この分類だけではないということでご承知ください。代表的な例です。
証型 | 月経状況 | 臨床表現 | 舌の状態 |
---|---|---|---|
腎虚 | 生理不定期 経血多量或は少量 |
疲れやすい 顔色暗い 腰・脚の痛み 下腹部の冷え感 性欲減退 |
舌質淡色 水分多め 薄白苔 |
腎陽虚 | 周期延長 経血少量・淡色 稀発月経 無月経 |
腰痛 腹部・手足の冷え 性欲減退 頻尿・尿色透明 失禁 |
舌質淡色 |
腎陰虚 | 周期短 経血少量 紅色 |
痩せる・痩せ体形 腰と膝の痛み 心悸失眠 めまい・耳鳴 喉の渇き 頬が赤くなる 五心煩熱※ |
舌紅 少苔 |
※五心煩熱は、両手掌・両足底・心胸部を指す。
実証の場合証型 | 月経状況 | 臨床表現 | 舌の状態 |
---|---|---|---|
肝鬱 | 生理不調 経血多量或は少量 経血暗色・血塊 |
生理前乳房張痛 下腹部の痛み 精神抑うつ ため息 過敏・イライラ |
舌質暗紅色 薄白苔 |
痰湿 | 周期延長 経血少量 無月経 |
太め体形 頭重感・まめい 胸圧迫感 唾液・痰多め 帯下量多い 粘調質 |
白く厚目の苔 |
血オ | 周期延長 少量 経血暗色・血塊 |
腹部冷痛 或は張痛 押すと痛む |
舌質暗紫色 紅点 |
さて、この上記分類を踏まえて次に続きます。
現代特有の体質問題
鍼灸に関する文献は、紀元前から編纂されているものから、日本で江戸時代や明治時代などまでの間に有名な本が出されています。もちろん、今も多くの書籍が出版されていますが、多くはその古典と呼ばれているものがベースであったり、古典で書かれているツボ(経穴)の効果を科学的な裏付けの元で使用されていることもあります。
残念なことに、その古典の時代には、PCを利用したデスクワーク等はありません。また、仕事へ行くにも食事をするにも多くの動きが必要でした。更には、女性が男と同じように活躍してきた状況はみられていないのです。また、ありがたくも気密性、防音性に優れた家屋、快適な室温のエアコンなどもない時代です。
現代特有の体質は、「運動不足」「栄養過剰」「ストレス」に集約されます。体質を考えた場合、何が起こるかといえば…「滞り」がおこります。
かつての人間の生活では、認知症も不妊症も「腎や血の不足」による症状であったと考えられました。しかし、現代社会では運動不足や栄養過多による「詰まり」「滞り」がベースにあるわけです。よって、その「詰まり」「滞り」を改善させる方法を取らないといけないのです。上記表でいえば、「実証」がメインとなると考えてよいと思います。
初回をソフトに施術した場合は2回目が、鍼灸経験者であれば初回~2回目後に大きく体が動きはじめます。先ずは便通、複数回で生理の状況が変わってくると思います。そして気づかない程度の変化の積み重ねで、今まで持っていた症状も気が付いたら軽くなってくるはずです。
お試しセルフケア
一般的にセルフケアとして本やサイトなどで紹介されていないものを探して、簡単・単純な誰にでも試しやすい方法を紹介します。せんねん灸のような台座灸でも良いです。
できましたら、漢方も同時にとり入れていただくとよいかと思います。
経血に塊のある場合
排卵日あたりから、内くるぶし(「内果」と言います)の上からスネの骨(「脛骨」と言います)に沿って膝の皿の内側上にある筋肉の盛り上がり間でをよく揉んでください。ツボでは三陰交から血海を毎晩お風呂の中あるいはお風呂上がりに揉んでください。最初は塊がドッと出て来るかもしれませんが、2〜3周期ほど続けると塊が少なくなってくると思います。
むくみのある場合
むくみのある場合は特に舌を診て欲しいのですが、舌の上に白っぽい苔がある事が多いかもしれません。そのような方は、有名な足三里というツボと足首の正面を結んだ線の半分の位置、そこから更に外側に向けて筋肉を超えての陥凹部に豊隆というツボがあります。加えてヘソのすぐ上に凹みが見つかりますが水分というツボがありますので、そこを温めたり押したりしてください。
腰痛がある場合
足の裏にある湧泉から内くるぶし後方のアキレス腱の前をよく揉み、立位でも座位でもいいのですが腰に親指が当たるように手を腰に当て、一番痛そうな場所に親指を置いたまま体を左右に振ります。そうすることで、刺激がしっかりと腎兪から志室という大切な場所に入ります。
逆子になったら
逆子をどうとらえるか
かつては「足元から冷えたから」と言われることが多く、足をこたつで温めたり、お灸をしたりと身近な方法で改善させてきました。残念なことに、現在の逆子は「冷えて」という概念は少なくなり、全て温めたら解決することが少なくなったように思います。
次項で説明しますが、「逆子には灸」と言われるほどに同じツボをよく使います。
鍼灸の方法は
先ずは腹部の張った感覚があれば、そこを指標に背中に鍼をします。その後、全身調整をしてから腹部が緩んだことが確認できたらお腹の状態を確認して、変化が無ければ足の小指の爪の根本脇に「至陰」あるいは「三陰交」に灸をします。
だいたい、1〜3回ほどで治る事が多いのですが、稀に5回以上かかることもあります。また、1回から始まって、2回、3回と回数を重ねていくうちに直後の胎児の動きが悪い場合は、もう一度超音波診断装置にて状態を確認していただくことをお願いしております。
不妊の部分で説明しましたが、現代的な問題があるために、かつての「冷え」ではなく「滞り」による問題の方が多いため、灸を使う方が早いのかもしれません。
ご一読ください!
基本的なこと
こちらにたどり着いた皆様は、既に色々と勉強をされているものと思います。もしかすると、既に他の鍼灸院や整体院で不妊へのアプローチをされているかもしれません。
不妊の知識としては、「不妊に悩む」方々を顧客ターゲットとしたサイトやグループが多々ありますので、そちらのホームページを参照されていることが多いと思います。ここで一つ気を付けていただきたいのは、ネット上の医学情報・健康情報には「間違った情報やウソ」が氾濫しているということです。
テレビや雑誌、不妊情報誌でも間違っていることもあり、市販の書籍で「不妊治療の有名〇〇」というような本では、広告料を取ってクリニック、漢方薬局、鍼灸院、整体院などが掲載されます。不妊に限らず「腰痛神の手〇〇人」や「脊柱管狭窄を治す〇〇人」のようなものの多くは広告本。本当に実績があるのとは実態が違う場合もありますので気を付けましょう。妊活サプリメントを販促するサイトや鍼灸院、整体院も疑ってかかってください(※もちろん突き詰めたが故にサプリメントにたどり着いた場合もあります)。しかし、「サプリメントが悪い!」ということはありません。長い不妊治療をされた方でも、最後の最後で妊活で有名な成分のサプリメントで成功した例も複数あります。
※
また、疑うのは不妊や育児のママさんグループサイト、SNS、柔整(整骨院)も同様です。もちろん、医師とはいえ個人クリニックも偏っているときもあります。助産院も同じ。〔別の話ですが、助産院は「母乳信仰」(悪く言えば「宗教的」)が強いところもあり、強迫観念を植えつけられそうなこともあるようで、母乳が出ないと「母親の資格がない」くらいの言われ方をした方もいました。〕よって、安心してご覧いただくには厚労省、大学病院等のサイト、研究情報サイトにてご確認いただくとよいと思います。最近聞いた話だと、「○○ママの~」というグループサイトの場合、後ろにサプリ販売会社などがいる場合もあるようです。
また、鍼灸院や整体院では、不妊の方を獲得することで安定的な経営基盤となります。そのためあちらこちらで「不妊鍼灸」「不妊整体」「産後矯正」「NPO法人不妊~所属」「NPO法人産後○○所属」などの言葉を使って集客しています。具体的な回数提示ができないところは回避していただくとよいと思います。
当センターでは、集客のための不妊鍼灸というのとは全く別の考え方や視点から、色々と考えていきたいと思います。不妊治療を受ける前に覚悟したことを今一度確認していただくことと、鍼灸へのかかり方について後述します。このページの内容は、ブログの一つ「いのちのうた(blog.kankoudo.com)」に重複する部分もありますが、ご了承ください。
ライフプラン~覚悟と区切り~
さて、お二人のライフプランはどのようになっていますか?
お二人の命ある限りのプランの中で、「子供が授かったとき」、「子供が授からなかったとき」の2大選択肢となるでしょう。
時間もお金も有限です。「何歳までという期限」あるいは「どこまで不妊治療を進めるか」のラインもまた決めていただく必要はあると思います。
言葉は悪いですが「だらだら」とやり続けるには、お二人、特には女性の気力体力が持たなくなります。
男性や周囲のご家族に配慮をしていただきたいのですが、不妊治療を行っている間は女性は常に傷つき続けているということです。
一番は残酷なまでに毎回来る「生理」だけでも心に堪えるのに、本来なら不必要なホルモン剤の投与、長い通院、検診や採卵による心身への傷と負担、周りからのプレッシャーだけでなく自らの追い込み、不安。元バレーボール選手も体験談として公表していましたが、毎朝の基礎体温計のアラームがなるだけでも恐怖感が来るようになることもあります。
ですので、「子供がいない選択」あるいは「子供を迎え入れる選択」もあるんだという確認も込めて、もう一度ライフプランを確認していただくことをお勧めします。というより、もう始まっている「不妊治療」は、お二人の共同作業なのです。女性側が一人で抱え込むものではありません。
いろいろなペアを見てきましたが、女性が一人で悩んでいるのにもかかわらず、今一つパートナーが乗り気じゃない。採精するにも真面目にコンディションを整えようとしない。あるいはタイミングを計っているにもかかわらず不摂生が重なっているなど、他人事の様にしか感じられないような気もする方々もいます。これは要するに「覚悟」ができていないのです。(※最近の研究(2020年4月現在)によれば、父親のタバコ歴や健康診断などに引っかかるような不摂生から子供への悪影響が徐々に報告されてきました。血を分かち合った母親はもちろんですが、やはり遺伝子しか提供できない父親には、遺伝子を傷つける行為は控える必要があるわけです。男の妊活はその身体づくりと、パートナーへの心遣いから始めてください。一般的に卵子は3か月、精子は6カ月といわれるので、それよりも何倍もの時間をかけて作り上げないといけませんので、女性よりも長い期間の準備と覚悟が必要です。)
「覚悟」ということをもっと広げると、「親になる自覚」、「子育てをする自覚」という意味合いもあります。残業続きで大変なのに、子供の夜泣きでまともに寝られない。それをパートナーにあたってみたり、帰宅拒否の様になったり。そんなことをしないと言い切れますか?
一日中、外界との接点が極端に減って、目の前に言葉も通じない赤ちゃんと付き合っていて、誰も助けてくれないパートナーの状況を、あなたはどのように思いますか?
ライフプランで「子供」という選択肢を取った場合、そんな大変な状況が間もなく訪れるわけです。
もちろん「覚悟」という言葉は、「子供のいない人生を選択」ということも「覚悟」の一つです。もっと後々のことを言えば、パートナーを残して死んでいくときに、どのような最期を迎えられるように計画を立てられますか?
また、自分の親、相手の親との間に問題はありませんか?
どんなことであれ、今目の前のパートナーと結ばれて今に至っています。まずパートナーの直の先祖といえば親にあたります。できれば、できればでいいので、少しだけ…せめて一つだけでもいいので、障害物を取り除いてみてください。長い生活の中でできた「わだかまり」や「いらつき」。他の家庭というのは「異文化」であり「宇宙人」と同じものですが、無理は言いません。一つだけでも何か変われたら、前に進めると思います。もしそれができないようでしたら、お墓など先祖を祀っている場所をよくお参りしてください。あるいは氏神さん、土地神さんなどもそうですね。こんなことを明文化すると宗教的に聞こえたりスピリチュアルに思われるかもしれませんが、先祖の願いは「子孫繁栄」なのです。護ることはあっても祟ることは基本ないでしょう。
ということで、まずは地ならしをして、今一度ライフプランと親になるための自覚や準備をしてみてください。今後の為にも是非ともお二人で話し合いをしてください。男性陣、逃げてはいけませんよ!
不妊治療中の男性について
男…というのか、オスは非常に弱い生き物です。今週は残業が続いたというだけで、精子の活動率が60から一気に20になるケースも見られました。
カレンダーについている赤丸、人工授精や体外受精の日などが近づくだけでストレスになったりして、いざというときにダメだったりしますし、精子の状況もよくなかったりします。また、採精・採卵の当日、慌てて出かけたがために、お二人のコンディションが悪くなるということもあります。お二人の関係性や、前述のライフプランや覚悟の話し合いが確認があってこそクリアできるものです。それさえできていれば問題ないかと思います。
当日のバタバタがどこまで影響するかはわかりかねますが、できましたら採精の日に慌てることがないことが良いように思います。悪天候や道路状況なども十分考慮しての移動をお勧めします。