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脳・麻痺

頭鍼(頭針)療法の歴史

標準頭鍼図1 頭皮鍼・頭鍼(頭針)療法(以下、「頭鍼」に統一)は、1968~9年ごろ中国山西省の精神科医が大脳表面の溝回を根拠として、「これに最も近い頭部の皮膚に刺鍼するならば、脳血管系の一連の病に有効ではないだろうか?」という発想から施鍼部を研究して新治療法を開発したとされている 1)。
 一説には、もっとも早期に確立されたのではないかとする説もあり、陜西省の方雲鵬が自身の経験に基づいて「頭皮を人体の縮図が投影される部分だ」と考えて作り上げたと言われる 2)。
 現在、頭鍼は方氏、焦氏、朱氏、林氏、湯氏をはじめとして、日本でも山元式、和田式、白川式などがある。また、頭皮鍼とも頭髪際鍼とも言われることもある。
標準頭鍼図2 1970年代から中国で徐々に使われ始め、鍼灸自体(中国では中国伝統医学、Traditional Chinese Medicine;TCM)を国際標準化を進めるうえで、中国主導で頭鍼も整備された。
出典
 1) 鍼灸学原論,木下晴都,医道の日本社,1991.8,p224
 2) 頭皮鍼治療のすべて,淺野周,三和書籍,205.12,p3
 ※図出典:針灸学,孫国杰,上海科学技術出版社,2003.3,p191-192

頭鍼療法の主な違い

 一般的に頭鍼の各方法の相違点は、ツボ(経穴)にあたる「区」の位置が違うことである。
 日本の山元式新頭鍼療法(以下、YNSA)以外、鍼の刺し方は特に大差がないのだが、YNSAだけは刺入する長さが2~3mmと短く刺入で終わるのが特徴的である(※後述する)。ただし、YNSAの難しいところは、針を刺すポイントが1㎜以下の誤差であっても治療効果に影響するのが難しいところである。

YNSA 山元式新頭鍼療法

山元式新頭鍼療法・YNSAとは

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る YNSAとは、Yamamoto New Scalp Acupunctureの略であり、日本語表記としては「山元式新頭鍼療法(以下「YNSA」とする)」とされている。YNSAは、1973年に大阪で開催された日本良導絡学会で初めて発表された。
 1960年代に発表された中国式頭鍼療法を追試するにあたり中国の頭針とは全く異なるものであったため、新しい頭鍼療法「新頭鍼療法」として「山元式新頭鍼療法」と呼び、区別することにした。
 日本国内で数々の発表を行ったのだが、日本の医師たちの「鍼灸」に対する否定的な見解が根底にあるために実績があっても採り入れようとせず、山元医師は、海外に向けて発表する。海外では効果があるものは代替医療でも積極的に取り入れるベースがあるため、瞬く間に広がる。
 ブラジルでは時の大統領により「山元病院」を開設し、積極的にYNSAを行うことによって医療費が削減できた。また、YNSA研究所も存在し、科学的な分析の元、新たな可能性と鍼のポイントを研究している。
 日本では、医師を対象に行っていたが、鍼灸師まで範囲を広げることで浸透していっている。最近では「頭鍼」の人気もあり、50人程のセミナーでは、あっという間に申込者が溢れてしまう状況になってきている。

 2017年末に「YOUはなにしに日本へ?」でセミナーを受講しに来た外国人医師を取り上げていたが、山元式新頭鍼療法は世界に受け入れられ、今でも山元敏勝医師の元へ世界中から医師が訪れる。
 この様に広く世界で受け入れられた理由としてYNSA学会副会長の加藤直哉医師は著書の中で以下の6点を挙げている。
 1. ツボが多くない。
 2. ツボに対する効能がわかりやすい。
 3. 東洋医学的な治療ルールの曖昧さがない。
 4. 治療方法にルールがあるため、だれが施術しても同じ治療効果が得られる。
 5. すべての痛みに即効性の治療効果がある。
 6. 特に脳卒中などの中枢神経疾患に、驚異的な効果がある。
引用:
慢性疼痛・脳神経疾患からの回復―YNSA山元式新頭鍼療法入門―,加藤直哉,三和書籍,2015.12,p17

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る

YNSAの特徴

 頭鍼療法の特徴でもありますが、慢性的な痛みを有する人の場合、その部位の損傷が治癒しているにも関わらず、痛みを長期間感じていたことで脳が「痛み」を誤認して情報を伝えているケースが多数あります。それが長期の「痛みサイクル」として存在するようになるわけです。痛みの記憶とも言えるでしょう。
 言葉として適当ではありませんが、頭鍼療法はその痛みサイクルを断ち切り、脳に刻まれた痛み記憶を改善させます。特にYNSAは鍼の浅い刺入によりその効果を実感できるものでしょう。
 中国式の頭鍼療法では「副作用」の記載もありますが、YNSAに関して副作用はほぼ無いとされます。特に妊娠直後~8週までの期間でも問題なく施術できます。

YNSAの実際

 症状や状況によって異なりますが、基本的な流れを紹介します。
合谷診先ずは手の母指と示指の間にある「合谷」というツボの周辺を骨に沿ってチェックします。この時に左右のどちらを選択するか、あるいはどの部位が鍼の対象になるかを予測します。
肘診・上腕診肘の内側にある線(肘窩横紋といいます)で背骨の頚椎、胸椎、腰椎に該当します。その後、上腕二頭筋で脳の大脳、小脳、脳幹のチェックします。
 チェック後、その該当部位へ鍼施術となりますが、これがYNSAの基礎となる背骨と脳へのアプローチとなります。

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